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豆知識

家に発生したねずみに万が一噛まれた場合の対処法

2018.04.27

ねずみに噛まれた場合そのままには絶対しない!
身体が小さなねずみは、その敏捷さを利用してさまざまなところに出入りしています。中には、下水溝やゴミ集積所など、衛生的に問題のある場所も含まれます。ねずみの身体にはたくさんの病原菌を含む細菌が付着しています。また、その体内にも多くの細菌がいて、糞や尿を通じてそれらの菌もばらまかれます。さらには、ねずみにはイエダニやノミが寄生しており、ねずみが死んだりどこかに身体を擦りつけたりすると、ダニやノミがねずみから離れて人間を害することもあります。

家の中に侵入してくるねずみ3種類のうち、ハツカネズミやクマネズミは敏捷性が高く、また高いところを好んで生活しています。また、性格もおとなしく臆病とされています。人を噛む可能性が一番高いのは、3種の中で一番身体が大きく、性格も獰猛とされるドブネズミです。ドブネズミは地上に近いところに生息していますので、他の2種類よりも人間と遭遇する機会も多いのです。

ねずみに噛まれた場合、ねずみが口内に持つ細菌による「鼠咬症(そこうしょう)」、及びねずみの身体に付着している破傷風菌による「破傷風」の発症の危険性があります。また、ねずみの唾液などに含まれている特定物質が、噛まれた傷から体内に侵入して反応することによるアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。

なお、最初にご紹介したとおり、ねずみにはたくさんの細菌や寄生虫が付着しています。ねずみの糞や尿、そしてねずみの死骸には、絶対に素手で触ってはいけません。掃除や処分の際には、ゴム手袋とマスク、殺虫剤など必要な物を用意してから行ってください。また、使用したゴム手袋とマスクは、ねずみの死骸などと共に、すべて処分しましょう。

感染しないための応急処置
ねずみに噛まれた場合、傷口から細菌やねずみの体液などが侵入し、感染症の危険やアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。まずなによりも、傷口を清潔にすることが大切です。次の手順で傷口を洗って消毒してください。

1 綺麗な流水で傷口を洗う
ねずみに噛まれたら、傷口には触らないようにします。そして、直ちに流水など綺麗な水を使って噛まれた場所を周辺も含めて洗い流します。また、噛まれた場所以外にも、ツメなどでひっかかれた場所があれば、同様に水で洗います。
石鹸がある場合には、石鹸を使ってもいいのですが、噛まれた周辺をこすってはいけません。石鹸を泡立てて、その泡だけを患部に滑らせて、水と一緒に洗い流します。洗った水を拭き取る際も、タオルなどで水分を吸わせるだけにします。

2 傷口を消毒する
家庭用の消毒薬やエタノールで消毒します。このときも、患部を押さえ付けないように気を付けましょう。消毒薬やエタノールを直接傷口に振りかけるか、脱脂綿などに含ませて軽く抑えます。洗浄と消毒はこの程度で構いません。噛まれた場所が複数の場合には、すべての患部の洗浄と消毒が必要です。
できるだけ早く病院に向かう
ねずみに噛まれた場合、アナフィラキシーショックの発生と感染症予防に注意する必要があります。このうち、アナフィラキシーショックは、噛まれてから比較的早くに症状が現れます。原因物質を体内に取り込むことで起こるため、予防ではなく対症療法が中心となります。早いときは1分を待たずに症状が現れるので、一刻も早く病院に向かいましょう。

また、ねずみに噛まれて感染する危険があるのは、鼠咬症と破傷風です。医療機関では、これらの病気の感染・発症予防のための措置を行います。

鼠口症は鼠口症スピロヘータ及びモニリホルム連鎖桿菌による感染症です。日本国内では、前者の感染例が多いとされています。感染すると、1~2週間後に発熱し、噛まれた部分が腫れたり赤くなったりします。さらに、患部付近のリンパ節の炎症などが発生します。死亡例は少ないようですが、自然治癒だと数ヶ月を要し、慢性化することもあるそうです。抗生物質を投与して発症前に原因細菌を根絶する必要があります。

また、破傷風は、土壌にいる破傷風菌が人体に入ることで感染・発症する病気です。潜伏期間は3~21日とされており、進行すると口を噛みしめる力が強くなり、やがて、首と背部の筋肉の烈しい緊張が襲ってきます。感染の進行が無事経過し完治すれば、予後は良好とされていますが、感染過程で危険な状態に陥る可能性があるため、発症した場合は入院の必要があります。ワクチン接種による予防が一般的ですが、破傷風の抗体は10年程度で失われるため、予防接種を受けていても発症の可能性があります。ねずみに噛まれた場合を含め、感染した恐れが高い場合には、沈降破傷風トキソイドという薬を投与し、発症を予防します。

なお、海外旅行中、旅行先でねずみなどの齧歯類に噛まれた場合は、その国で流行している感染症によって、予防すべき病気が増えます。例えば、日本国内では感染例が発生していない狂犬病は、ねずみも感染する病気です。実際に、海外ではねずみに狂犬病が見つかった例が報告されたことがあります。

ねずみに噛まれた傷はあまり大きくなく、出血なども少ないため、傷口が治ってしまえば忘れてしまうかもしれません。しかし、その傷口から入ってくるかも知れない病原菌による感染症は極めて危険です。ねずみに噛まれたら、決して軽視せず、必ず医療機関を受診してください。

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